車検代行とは？

整備付き車検を依頼したり、ユーザー自身で車を持ち込んで受けたりと、車検を受ける方法はさまざまです。
車検の受け方として、車検代行を検討している方もおられるのではないでしょうか。

そこでここでは、車検代行の特徴や依頼前に知っておきたいメリット・デメリットをご紹介します。
依頼するために必要な書類や依頼から完了までの流れが分かる内容となっています。
また、車検代行の利用が適しておられる方の特徴についても解説します。

車検代行ってどんな内容？

ユーザー自身が検査場に車を持ち込み、車検を受ける方法を「ユーザー車検」といいます。
車検代行とは、ユーザー車検のうち「車を検査場に持ち込み、検査を受ける部分」のみをお店に依頼するものです。
車検代行を行うお店には、検査の手続きと立ち合いの他、最低限の整備など車検を通すのに必要な手続きを任せられます。

陸運支局や軽自動車検査協会の検査場は、平日しか車検を受け付けていません。
車検代行は、検査場の受付時間内に車を持ち込めないときに便利です。

車検代行と整備付き車検の違い

車検代行と整備付き車検は、整備の有無が異なります。整備士がいて、整備をするための専用の機材があるお店に任せるのが整備付き車検です。定期点検整備（法定点検）の点検項目を含む点検整備以外にも、必要に応じて整備を実施し、走行の安全性をより確保できますが費用が割高になる傾向があります。

一方、車検代行は分解整備や定期点検整備を実施しません。そのため整備費用などを省くことができ、整備付き車検より安く車検に受かることができます。消耗品等の交換も車検に通る基準を満たしていれば強いられず必要最低限の交換費用で済むことが多い傾向です。また、交換時期（寿命）が近づいている部品などは車検実施後にご提案いたしますので、車検のときに一緒に交換するのではなく、定期点検のときに交換する方が費用面でも抑えられることが多いのでおすすめです。

車検代行を依頼するメリット

車検は受ける方法ごとに特徴やメリットが異なります。車検代行を依頼する主なメリットは、「車検費用を抑えられること」「車検が比較的早く終わること」の2点です。車検代行によって期待できる2つのメリットについて詳しく解説します。

「車検費用を抑えられる」
費用を安く抑えられることが車検代行の最大の強みです。車検時に必ずかかる法定費用以外には、基本料金＝車検代行手数料（検査手続き代行料）しか費用は発生しません。分解整備を実施しない性質上、工賃等がかからないためです。

法定費用には、自動車重量税と自賠責保険料、印紙代（検査手数料）が含まれます。金額は車種や環境性能、経過年数によって決まりますが、どのような受検方法でも一律です（印紙代を除く）。

「車検が比較的早く終わる」
一般的な車検では分解整備を実施するため、お店に車を預ける期間が長い傾向があります。日常生活に車が欠かせないとお考えの方は、台車のレンタルが必要です。車の引き渡し日時だけでなく、引き取り日時も調整しなければなりません。

一方、車検代行は必要書類や車の状態に不備がない限り、比較的はやく車検が終了します。車検を受けた当日中に車を返却してもらうことができれば普段通りに車を使えるため、代車のレンタルを手配する必要がなく1日の日程を調整するだけで済みます。

車検代行を依頼するデメリット

車検代行を依頼することは、メリットだけあるわけではありません。車の状態によっては車検代行が適さないケースがあります。利用の際には、メリットとデメリットの両面を踏まえて検討することが大切です。こちらでは、車検代行のデメリットを3つに分けてご説明します。

「車検に通らないケースがある」
分解整備を実施しない車検代行は、万全の状態で車検を受けられるわけではありません。車の状態によっては国が定める保安基準を満たさず、車検に通らないことがあります。車検に通らなかったときは、再度受け直さなければならず、検査費用が再び必要になるケースがあります。また、使用年数が長かったり何らかの不調があったりする車は、整備付き車検の方が費用や手間を節約できることもあります。

「車検を受けてもすぐ車に不具合が出るかもしれない」
車検代行を利用して車検に通っても、すぐに何らかのトラブルが発生する恐れがあります。車検の目的は「国が定める保安基準を満たしているか」を確認することです。車検をクリアしても車の安全性が保証されるわけではありません。

整備付き車検では、専門的な知識と技術を持った整備士が分解整備を行います。車検代行より費用は高くなりますが、
安全性を確保したいとお考えの方には整備付き車検がおすすめです。

「車検代行に必要な手数料が定まっていない」
車検代行に必要な費用の内訳は、法定費用と車検代行手数料に分けられます。法定費用は国や保険会社に納める費用で、どこに依頼しても金額は一律です（印紙代を除く）。

一方、車検代行手数料は定められていません。お店でそれぞれ設定できるため、価格や内訳（印紙代や書類手続きなど）がお店ごとに異なります。依頼先によっては、費用が高くなる点に注意が必要です。

車検代行を依頼する際に必要な書類

車検代行を依頼する際には、ユーザー自身が書類一式を準備しなくてはなりません。必要な書類は以下の通りです。

「普通自動車の場合」
・車検証
・自動車税納税証明書
・自賠責保険証明書
・自動車重量税納付書
・申請書（3号様式）
・自動車検査票
・点検整備記録簿

「軽自動車の場合」
・車検証
・軽自動車税納税証明書
・自賠責保険証明書
・自動車重量税納付書
・申請書（軽専用第2号様式）
・軽自動車検査票
・点検整備記録簿

※申請書（3号様式）は高度交通省の公式サイトから、申請書（軽専用第2号様式）は軽自動車検査協会の公式サイトからダウンロードできます。

車検代行の依頼から完了までの流れ

車検代行手数料や内容は依頼先によって違いがあるものの、依頼から完了までの流れはほぼ同じです。あらかじめ車検代行の流れを理解しておけば、事前準備をしている際に慌てずに済みます。車検代行の大まかな流れと段階ごとにやるべきことは以下の通りです。

1,見積もり依頼をする
車検代行の依頼において、最初に着手するのが見積もり依頼です。車検証や車検ステッカーに記載されている有効期間の満了日をチェックして、ネット（Web）から無料でお見積もりが可能です。なお、車検代行手数料は依頼先によって異なるため、見積もりの段階で料金をしっかり確認することが大切です。

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2,内容を確認して契約をする
お店が提示する内容や金額を確認し、納得できれば契約をします。お店によって受けられる特典はさまざまです。
戦車や車内清掃、代車の用意などどのような特典があるのかも契約前にご確認ください。

3,車検の予約をして検査を受ける
依頼先と契約を済ませたら、車検の日程を決めます。次回の満了日が前倒しにならないよう、有効期間の満了の1ヶ月前から満了日当日の間に受けるのがおすすめです（一部地域を除く）。車検当日に車と必要書類を引き渡して検査を受けます。書類に不備があると車検に通らない恐れがあるため、書類は正しくご用意ください。

4,費用の支払いをして車を引き取る
車検に通ったら、車検費用の支払いと車の引き取りを済ませれば完了です。車検費用を支払うタイミングは、依頼先によって異なります。多くの場合、車の引き取り時に支払うのは車検代行手数料といったお店に支払う料金で、法定費用は前払いです。支払いのタイミングは事前にご確認ください。

車検代行の利用に向いている方

車検代行にはメリットとデメリットの両面があり、利用に向いている方とそうでない方がいます。
ここでは、車検代行の利用に向いている方の特徴について解説します。

「自身でメンテナンスができる方」
車に関する専門的な知識や技術があり、自身で車のメンテナンスができるのであれば、点検整備を徹底しない車検代行でも安全性の確保が目指せます。また、平日昼間に検査場に持ち込めないときも、車検費用を抑える方法としておすすめです。

「車の点検や整備をしたばかりの方」
定期点検や整備を受けて間もない車は、車検代行が向いています。コンディションの維持や安全性の確保を目指すのであれば、整備付き車検のほうが適した方法です。しかし、整備や部品交換が不要な車は得られるメリットが少ないにも関わらず高額な費用の請求をされる恐れがあります。

新車を購入して初めて受ける車検も同様です。車の不具合や部品交換の心配がない場合は車検代行が向いています。
ただし、車に乗る頻度や長距離走行が多いのであれば、新車購入後1回目の車検でも整備付き車検の方が安心です。